クルマのある暮らしをもっと豊かに、もっと楽しく

道路・交通最終更新日:2023.06.19 公開日:2022.10.26

10月29日は甲州街道でギンナンをお持ち帰り! 清掃活動の副産物に感謝!

秋の風物詩となっているギンナン拾い。国交省関東地方整備局相武国道事務所は、甲州街道(国道20号)のイチョウ並木を清掃した際に集めたギンナンを持ち帰ることで、道路の維持管理に貢献できるという取り組みを10月29日に行う。イベント内容や、銀杏にまつわるトピックスをまとめて紹介する。

文=原田磨由子
画像提供=国土交通省関東地方整備局

記事の画像ギャラリーを見る

イチョウ並木の副産物

甲州街道のイチョウ並木が黄葉している様子。今年の都内での黄葉の見ごろは11月30日前後になりそうだ。

 甲州街道の八王子地区には、大正天皇の多摩御陵造営を記念して植樹された約760本のイチョウ並木がある。昭和4年に植えられたこのイチョウ並木は約4kmにもおよび、八王子市の天然記念物にも指定されている。毎年秋には黄金色の見事な紅葉を楽しむことができるが、大きく成長したイチョウ並木からは大量の葉やギンナンが落ちてくる。道路を安全かつ良好な状態に保つため、この時期には大規模な清掃が必要だ。

実りの秋のイベント

過去のギンナン拾いイベントの様子。手袋や手提げ袋の持参は任意だが、強烈な臭いが手につかないように、使い捨てのビニール手袋やゴム手袋の着用を推奨したい。

 ギンナン拾いイベントは、道路の清掃やイチョウ並木の剪定等で事前に集めたギンナンの実を、道路利用者や地域の人達に持って帰ってもらおうというもの。ギンナンの処分量低減へ協力してもらうことが道路の維持管理の効率化につながる。歴史ある甲州街道の道路景観に親しみながら秋の気配を感じ、秋の味覚も楽しむことができるという、まさに実り多いイベントだ。この催しは今年で25回目となる。

ギンナン拾いイベントにあわせ、会場にはイチョウ並木の道路清掃に関するパネルの展示が行われる。パネルには、落葉や落実によって路面が滑りやすくなったり、悪臭が発生する旨や、10月~12月の昼間を重点的に路面清掃車や作業員による道路清掃の実施方法などが紹介される予定だ。いつも道路を清掃してくれる人たちへの感謝の気持ちを忘れずに、ギンナン拾いに興じよう。

日時:2022年4年10月29日(土) 10~11時(小雨決行)
*ギンナンが無くなり次第終了。
場所:東浅川保健福祉センター第2駐車場(八王子市東浅川町120番)
国道20号多摩御陵入口交差点南側(下り線側)
◆注意事項
①手袋や持ち帰り用の袋は各自持参。
②駐車場なし。
③参加は無料で、事前申込・当日受付も不要。直接現地へ集合。
④雨天等により中止の場合は、当日8時30分以降に以下ホームページにて発表。相武国道事務所ホームページ
⑤新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止対策あり(要協力)

出典=地理院地図

今年も甲州街道の清掃活動などがパネルで展示される。

落葉後、街路樹の剪定作業が高所作業車などを用いて行われる。成長速度がはやいイチョウの木は手入れを怠れない。

落葉の清掃の様子。落ち葉が敷かれた歩道や道路は風情があるが、散乱したままでは歩行者も車両も滑りやすい状態になるため、頻繁に清掃する必要がある。車線規制の機会も増えるが、理解したい。

次のページでは、
第43回 八王子いちょう祭りを紹介

黄葉に染まった甲州街道でお祭り!

画像=八王子いちょう祭り祭典委員会

 11月19日(土)~20日(日)には、高尾駅や京王高尾線狭間駅の近くで第43回目となる「八王子いちょう祭り」が開催される。

八王子いちょう祭りでは、12の関所巡りや、スタンプラリーに、クラシックカーパレード、ステージイベント、全国・近隣地域の観光物産展などが催され、毎回50万人前後の来場者で賑わっている。

今年の八王子いちょう祭りでは【Say YES! Walk Together】というスローガンが発表されている。2020-2021年は開催こそされたものの、コロナ禍の影響で規模を縮小して開催したことから、今年こそはイチョウ並木を堂々と歩こうという意気込みなのだろう。

今年の催し事の詳細は八王子いちょう祭り公式ページにて確認しよう。

今年の八王子いちょう祭りの全体マップ。国道20号と南浅川を挟むようにイベント会場が配置されている。

銀杏のことを、もっと知る!

(c)tomomomokko – stock.adobe.com

(1)【銀杏(ギンナン)】は音読みをしたもので、外皮を取り除き、硬い殻に包まれた種子のことを指し、【銀杏(イチョウ)】は主に樹木を指す。イチョウという読みは、葉が扇形で中央に裂けめの入った形状が鴨の脚に似ている、という意味を中国語で「イーチャオ」といい、それを転訛してイチョウにあてたとされている。

(2)ギンナンの悪臭の原因は、外皮や果肉に含まれる酪酸とへプタン酸によるもの。酪酸は人間の皮脂から発する汗の臭いと同じ成分で、へプタン酸は腐敗した油のような臭いを放つ。

(3)落ちた果実は潰れていなくても、外皮の熟成が進めば臭いを放つ。果肉に包まれた種の殻からは臭いはしない。

(4)また、外皮にはギンコール酸などアレルギー物質が含まれており、人によっては素手で触ると肌が炎症を起こす可能性もあるため、ギンナンを拾う場合は軍手などではなく、液体が入らないゴム手袋やビニール手袋の着用がおススメ。

(5)しかし、その悪臭ゆえにギンナンの実は他の生物から食べられることがなく、太古から生き残っていると考えられている。

(6)イチョウには雄株と雌株があり、ギンナンの実は雌株にしかならない。街路樹としてどちらも植えられているのは、昔は食材の確保・流通がまだ未成熟で、ギンナン拾いも立派な食材確保の手段として、収穫を楽しむ人が多かったからという説がある。

(7)外皮の果肉は水に浸して腐らせる方法もあるが、土に埋める方法が楽。ギンナンの種子がすり抜けない程度のネットに入れて、土の中に約一か月ほど埋めておけば、果肉は微生物が分解してくれる。あとは種子を水洗いして天日干しすれば、市販されている姿と一緒になる。

(c)ogustudio – stock.adobe.com

(8)ギンナンは栄養価も高いが、メチルピリドキシン(またはギンコトキシン)という成分も含まれ、一度に大量に食べてしまうと、嘔吐や痙攣などの中毒症状が現れる可能性もある。この成分は加熱しても消失しない。

(9)メチルピリドキシンは微量なので、食べ過ぎなければ影響はないとされている。一日のうちに食べても平気な量は、大人は6粒程度、子どもは1~2粒までを目安にしたい。

(10)子どもはメチルピリドキシンを解毒できる酵素を持っていないので、中毒を起こしやすい。中毒110番への相談が、過去10年で「5歳以下」が68.7%も占めているという結果も出ている。

ギンナンに関する月別相談件数および患者年齢層。画像=公益財団法⼈⽇本中毒情報センター

画像=⽇本中毒情報センター

(11)日本気象株式会社が10月3日に発表した、全国の紅葉・黄葉見ごろ予想によると、札幌は11月6日ころから、東京は11月26日前後から、名古屋・大坂からは少し時期がずれて11月中旬から黄葉、12月上旬に紅葉する予想。

日本気象が10月3日に発表した、2022年の紅葉・黄葉見ごろ予想。

今年の紅葉・黄葉見ごろ予想。画像=日本気象株式会社

記事の画像ギャラリーを見る

この記事をシェア

  

応募する

応募はこちら!(3月31日まで)
応募はこちら!(3月31日まで)