2022年10月21日 16:59 掲載

ライフスタイル 懐かしの絵本が人気⁉ 『しょうぼうじどうしゃ じぷた』がいまも愛されるわけ。

どんな絵本を読んだらいい? 迷ったときは、名作を手に取ってみてはいかがだろうか。子供に人気の働くクルマの中から今回は、火事や救急のときに大活躍の消防自動車が登場する、名作絵本を紹介しよう。

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文=高田ひかる

消防署の4台のクルマ

『しょうぼうじどうしゃ じぷた』(作:渡辺 茂男/絵:山本 忠敬/出版社:福音館書店)

『しょうぼうじどうしゃ じぷた』(作:渡辺 茂男 /絵:山本 忠敬/出版社:福音館書店)

 絵本『しょうぼうじどうしゃ じぷた』は、1963年に『月間こどものとも』に登場し、1966年に第1刷が発行された、50年以上愛されている名作絵本だ。子供の頃に読んだことがあるひとも、多いのではないだろうか。
 ストーリーは、消防自動車の大きなイラストとともに、消防署にある4台のクルマの紹介から始まる。

 ハシゴ車の「のっぽくん」は、長いハシゴが自慢だ。
「みてくれ、ぼくの はしごを。どんな たかい ビルが かじになっても、ぼくさえいれば しんぱいないよ」
 突き出したハシゴの先にはホースがのぞいていて、ハシゴがぐんぐん伸びる様子を想像できる。

 ポンプ車の「ぱんぷくん」は、強いポンプが自慢だ。堂々とした車両の側面には、太いホースやオノがあり、とても力強さを感じる。
「ぼくが ちからいっぱい みずをはきだせば、どんな あつい ひでも、じゅんと きえてしまうよ」

 救急車の「いちもくさん」は、けが人を素早く運ぶことが自慢だ。今では見かけなくなった旧型のクルマは、風格があってかっこいい。
「ぴーぽー ぴーぽーと、どこにでも、いちもくさんに かけつけて、けがにんを びょういんに はこんで あげるんですからね」

 そして、主人公の消防自動車「じぷた」。消防署の中では一番小さい古いジープを改良した消防車だ。小さな火事ならたちまち消してしまう働き者。けれど、大きな火事のときに活躍できないので、自分のことを、なんだかちっぽけで悲しい存在だと思っている。

山火事を防ぐため、じぷた大活躍!

『しょうぼうじどうしゃ じぷた』より。じぷたが出動する場面。

 ある日、となり村の山小屋が火事になり、このままだと山火事になりそうだと連絡が入る。のっぽくんのハシゴは届かないし、ぱんぷくんには道が狭い。悩んだ署長さんは、じぷたを見て声をかけた。

「よし、じぷただ。たのむぞ!」

『しょうぼうじどうしゃ じぷた』より。じぷたが山小屋へ向かう場面。

「じぷたは やまみちを のぼりました。せまい けわしい やまみちでも、ジープの じぷたなら へいきです。」

じぷたは、山火事を防ぐことができるのだろうか......。

みんな違ってみんないい

 小さいじぷたには、長いハシゴも、強いポンプも、けがをしている人を運ぶ力もない。それでも、小さいからできることもあるのだ。自分らしくがんばることの大切さを、じぷたは教えてくれる。「がんばれじぷた!」と、ついつい応援したくなる絵本だ。

 見開きいっぱいの大きなイラストと働くクルマが大活躍するようすに、いまも昔も子供たちは大興奮! よみきかせは、4歳くらいからがおすすめ。


『しょうぼうじどうしゃ じぷた』
作:渡辺 茂男 /絵:山本 忠敬
出版社:福音館書店

<作者紹介>
 作者の渡辺茂雄さんは、翻訳と創作の両方で多くの作品を残している。創作した作品に、『もりのへなそうる』(絵: やまわき ゆりこ/出版社: 福音館書店)。翻訳した作品に、『エルマーの冒険』(作: ルース・スタイルス・ガネット/絵: ルース・クリスマン・ガネット/出版社: 福音館書店)がある。

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