2022年06月20日 18:20 掲載

ライフスタイル 『イタリア発 大矢アキオの今日もクルマでアンディアーモ!』第28回
しがみつけ! ホイールカバー


文・写真=大矢アキオ(Akio Lorenzo OYA)
写真=大矢麻里 (Mari OYA)

"脱落するシーズン"があった

 さて、2022年は健康のため、可能なかぎりクルマや公共交通機関を使わず歩こう、と誓いをたてた。実行しているうち最初に気がついたのは、「いかに脇をすり抜けるクルマが速くて怖いか」ということだった。常日頃自分がこんなスピードで歩行者の脇を走っていたかと思うと、身が縮まる思いがした。

 それはさておき、第二に気がついたことといえば、「ホイールカバーが頻繁に落ちていること」である。国籍問わず、さまざまなブランドのものが落ちている。

ある汎用品の裏側。一体成型された爪は、純正品以上に華奢である。

ある汎用品の裏側。一体成型された爪は、純正品以上に華奢である。

以下は、いずれも2022年に入ってからシエナの道路上で撮影したスナップ。4代目フォルクスワーゲン(VW)のホイールカバーだ。以下は、いずれも2022年に入ってからシエナの道路上で撮影したスナップ。4代目フォルクスワーゲン(VW)のホイールカバーだ。

4代目日産ミクラ(日本名マーチ)用。4代目日産ミクラ(日本名マーチ)用。

これはスチールホイール用ではなく、フィアット500用アルミホイールのセンターに装着されるカバーである。

これはスチールホイール用ではなく、フィアット500用アルミホイールのセンターに装着されるカバーである。

 そこで自動車販売店経営者のルイージ氏に聞いてみた。

「ホイールカバーの構成は、本体とそれと一体成型された爪、そしてワイヤーだ」。プラスチック製の爪がホイールのリムに引っかかることで固定される。その爪が常に外側に向けて力がかかるようにワイヤーが付加されている。「その爪が経年変化で割れてしまうのが、ホイールカバーが外れる主因なんだよ」とルイージ氏は説明する。

4代目VWポロ用のホイールカバーが裏側になっていたので観察する。時計でいうところの45分位置のプラスチックが欠け、ワイヤーも張力を失ったのだろう。4代目VWポロ用のホイールカバーが裏側になっていたので観察する。時計でいうところの45分位置のプラスチックが欠け、ワイヤーも張力を失ったのだろう。

かと思えば、ここまでプラスチックが欠けてしまっても、ホイールにしがみついている例も。2代目フィアット・プント。かと思えば、ここまでプラスチックが欠けてしまっても、ホイールにしがみついている例も。2代目フィアット・プント。

 筆者の記憶では、落ちているのはカーブの途中が多い。「タイヤやホイールに直進路とは異なる力が加わることで、爪が劣化していると外れてしまうことが多いんだ」とルイージ氏は解説する。そしてこう付け加えた。

「季節の変わり目の落下が多いんだよ」。その心は? と問えば「冬タイヤと夏タイヤを交換したあと、ホイールカバーをしっかりと嵌めない場合が多い。したがって落下しやすいんだ」と教えてくれた。

 我がトスカーナ州は降雪量が少ないにもかかわらず、毎年11月1日から4月15日までが冬タイヤ、オールシーズンタイヤの装着、もしくはチェーンなど滑り止めの搭載が義務付けられている。少し前にホイールキャップの落とし物が多かったのは、夏タイヤに交換したのが理由だったに違いない。

落下したホイールカバーは、カーブで目撃する確率が高い。2022年5月シエナで撮影。

落下したホイールカバーは、カーブで目撃する確率が高い。2022年5月シエナで撮影。

 そのようなある日、市内の坂道でまたもやホイールカバーを発見した。2代目「ランチア・イプシロン」のものだ。ただし路面ではなく、家の外壁に立てかけられていた。住民が発見し、立てかけておいたとみた。落としたドライバーが見つけたら、さぞ嬉しいことだろう。もし筆者だったら、前述の盗難被害経験もあるので、感激のあまり呼び鈴を鳴らして住人にハグするに違いない。

2代目ランチア・イプシロン用ホイールカバーが、家屋の外壁に立てかけられていた。

2代目ランチア・イプシロン用ホイールカバーが、家屋の外壁に立てかけられていた。

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